今回が最終回です。会社の未来について、お聞きします。
―会社の将来をどのようにお考えですか。
建設業界は今、かつてない速さで変化しています。私たちはこの世の中のスピードに対応し、むしろ一歩先を行く会社でありたいと考えています。
まず重要なのがDXの推進です。BIMの導入は第一歩に過ぎません。今後はAIを活用した設計支援システムなど、デジタル技術を積極的に取り入れていきます。設計業務の効率化だけでなく、お客様により高い価値を提供することが目的です。
そのために欠かせないのが、最新のトレンドと技術に関する情報の収集です。展示会への参加、セミナーの受講、他社との情報交換を通じて、常に業界の動向把握に努めています。
また、カーボンニュートラルやSDGsといった社会的要請にも積極的に応えていきます。環境配慮型の設計提案はもちろん、既存建物のリノベーションによる省エネ化など、新たな事業領域も開拓していく考えです。
しかし、どんなに技術が進歩しても、設計の本質は「人が快適に過ごせる空間を創ること」です。最新技術を活用しながらも、お客様一人ひとりのニーズに寄り添う姿勢は変わりません。
20年後、30年後も必要とされる会社であるために、変化を恐れず、常に進化し続ける。社員全員がワクワクしながら働ける、そんな未来志向の会社を目指していきます。
ー会社の未来は見えていますか。
正直に申し上げると、10年後の具体的な姿がすべて見えているわけではありません。しかし、確信を持って言えることがあります。それは、次の世代が確実に育っているということです。
創業した頃は、すべて手探りでした。失敗も数えきれないほどしました。でも、その失敗から得られる効果もあります。「なぜうまくいかなかったのか」を徹底的に分析し、次に活かす。この繰り返しが、今の会社の基盤を作りました。
若い社員たちを見ていると、彼らは私たちの経験を土台に、さらに高いレベルで仕事をしています。BIMを当たり前のように使いこなし、AIに代表される新しい技術にも臆することなく挑戦する。そんな姿を見ると、会社の未来は明るいと確信します。
ただし、大切なのは常に考えることです。技術がどんなに進歩しても、「なぜこの設計なのか」「お客様にとって本当に価値があるか」を問い続ける姿勢が重要です。AIが設計の一部を担うようになっても、最後は人間の判断と責任が求められます。
私は社員によく言います。「とにかくやってみよう!」と。失敗は成長の糧です。若手が失敗しても、それをフォローできる組織文化を築いてきました。挑戦と失敗、そして学習のサイクルが、イノベーションを生み出すのです。
会社の未来は、今ここにいる社員たち、そしてこれから入社してくる若い世代が作っていきます。私の役割は、彼らが存分に力を発揮できる環境を整え、挑戦を後押しすることです。
技術革新のスピードは予測できません。でも、「常に考え、挑戦し、失敗から学ぶ」という企業文化があれば、どんな変化にも対応できる。そう信じています。次の世代が、私たちの想像を超える会社を作ってくれることを楽しみにしています。
代表取締役 室谷 章二
ありがとうございました。
全5回に渡っていろんなお話を聞くことが出来ました。
これからみやこ設備設計に就職を考えられている方へ参考になればと思います。